ニートをやめたいあなたへはじめに
現在、働いていない若者、いわゆる「ニート」と呼ばれる人は、日本に約74万人いるといわれています。これは、40人のクラスに1人はいる計算です。理由は人それぞれですが、就職活動の失敗、心身の不調、家庭環境、社会との摩擦など、さまざまな背景があります。ここでは、ニートの方が社会とつながり直すための現実的なステップについて、段階を追って考えていきます。
焦らずに、自分のペースで
まず強調したいのは、「焦らなくていい」ということです。ずっと家にいた人が、いきなりフルタイムで働くのは心身に負担が大きすぎます。自分を責めるよりも、まずは自分の気持ちや体調に耳を傾けてください。何かを始めるときは、「いきなり働く」ではなく、「図書館に行く」「近所を散歩する」「本を読む」といった小さな行動から始めましょう。
ニートになった背景を知る
「働かない人=怠け者」という偏見がありますが、実際はそう単純ではありません。ブラック企業で心が折れた人、うつやパニック障害を抱えている人、進路に失敗したことがきっかけで自信を失った人など、その背景は多岐にわたります。誰にでも起こり得ることです。まずは「自分はダメな人間だ」という思い込みを捨てて、自分の状態を受け入れることが大切です。
利用できる支援サービス
社会復帰を目指す上で、公共のサポートを頼ることは恥ずかしいことではありません。むしろ必要なステップです。
・若者サポートステーション:15歳から49歳までの人を対象に、就労支援、相談、職場体験などを提供しています。 ・ハローワークの専門窓口:ニートの人にも対応している部署があり、就職活動の不安を減らすサポートがあります。 ・地域の福祉施設やカウンセリング:メンタルのケアを受けることも重要です。
いきなり働くのが難しい場合は、上記のような支援を利用し、段階的に社会との接点を持つことが勧められます。
段階的なステップのすすめ
- 家から出る習慣をつける(図書館、散歩、カフェなど)
- 誰かと話す機会を少しずつ増やす(家族、カウンセラー、ボランティア仲間)
- ボランティアなどの軽い社会活動に参加する
- 就職支援窓口に相談してみる
- アルバイトなど、無理のない形で働き始める
ボランティア活動は特におすすめです。責任が軽く、人との関わりも比較的やさしく、達成感も得られます。
「就職」だけがゴールではない
大切なのは、自分に合った生き方を見つけることです。会社勤めが合わないなら、在宅ワークやフリーランス、農業、クリエイティブな活動など、いろんな道があります。初めは月に数千円でも自力で収入を得られたら、それは大きな一歩です。
最後に
ニートであることに悩むのは、あなたが現状を変えたいと感じている証拠です。少しずつでいい。まずは自分を否定せず、「いまの自分にできること」から始めてみてください。誰にでも、自分のペースで歩んでいく権利があります。
働いていないからといって、あなたの価値が下がるわけではありません。あなたが元気になり、少しでも社会とつながることができれば、それだけで意味のある一歩です。