就活でも転職でも活かせる「目のつけどころ」
企業研究をするうえで、業界ごとの特性を知っておくことはとても大切です。
同じ「営業職」でも、商材や業界構造が違えば、働き方も、求められる能力も大きく変わります。
ここでは主要な業界ごとに、企業研究の際に着目すべきポイントを紹介します。
製造業(自動車・電機・機械など)
特徴
・BtoBが多く、一般には見えづらい技術や仕組みが競争力の源
・長い製品ライフサイクルと、安定した収益構造を持つ大企業が多い
研究のポイント
- 主力製品は何か?その製品は国内外でどのように評価されているか?
- 技術開発の体制(研究所、特許出願数、提携企業など)
- 海外展開(どの地域に強いか)とサプライチェーンの構造
- ESGやカーボンニュートラルに対する取り組みの有無
商社(総合・専門)
特徴
・多様な商品を扱う「総合商社」と、特定の分野に強い「専門商社」に分かれる
・ビジネスは商材の仲介にとどまらず、事業投資にも広がっている
研究のポイント
- 収益構造(トレーディング vs 事業投資の割合)
- 海外拠点やプロジェクトの有無と範囲
- 扱っている商材と、そのグローバルな需要動向
- 他商社と比べたときの強みや独自性(例:資源系に強い、農業分野に注力、など)
金融業(銀行・証券・保険など)
特徴
・経済全体の流れに大きく左右される
・近年はデジタル化・フィンテック導入が急速に進む
研究のポイント
- 顧客層(法人向けか個人向けか)と、提供している金融商品
- 近年の収益構造(手数料収入か、金利収入か)
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の進み具合
- 社内の人材育成制度や、資格取得支援の有無
IT・通信
特徴
・変化が激しく、成長余地の大きい業界
・職種によって業務内容が大きく異なる(開発職・営業職・サポート職など)
研究のポイント
- 扱っている技術・サービスと、それが社会に与える影響
- 利用しているプラットフォーム(クラウド、AI、IoTなど)
- 顧客の業種や規模(BtoBかBtoCか)
- 働き方(リモートワーク制度、裁量労働制など)
インフラ(鉄道・電力・ガス・建設など)
特徴
・社会基盤を支える重要な業種
・景気変動に対して比較的安定している反面、保守的な企業も多い
研究のポイント
- 地域との関係性(自治体や住民との連携など)
- 社会貢献性や災害対応の取り組み
- 労働環境(勤務体制、交代勤務の有無)
- 脱炭素・再生可能エネルギーへの取り組み
流通・小売・外食
特徴
・現場重視で、顧客との接点が多い
・競争が激しく、利益率が低い傾向にある
研究のポイント
- 店舗戦略(出店場所、FC展開、業態の多様性)
- ブランド力やリピート率
- デジタル施策(EC、アプリ開発、CRMなど)
- 現場の裁量やキャリアパスのあり方
サービス業(教育・医療・福祉・コンサルなど)
特徴
・「人」がサービスの質を左右する業界
・顧客満足度と従業員満足度のバランスが鍵
研究のポイント
- サービスの差別化要因は何か?(人材教育、専門性、信頼性など)
- 顧客との接点や対応方針(BtoC、BtoB、BtoGなど)
- 働く人の声(口コミ、インタビュー、退職理由など)
- 長期的なビジネスモデルと収益性
最後に:企業研究のゴールは「共感」+「戦略」
企業研究は、単に情報を集める作業ではありません。
自分がその会社の何に共感できるか、そしてどこで自分の力を発揮できるかを見つける戦略的なアクションです。
「この会社で働く自分を、想像できるか?」
その問いを軸に、情報を読み解いてみてください。そうすれば、ESも面接も、自ずと説得力あるものになります。