「うちの子、まだ文字が読めなくて…」
「数字に興味を持たせた方がいいでしょうか?」
そんな不安を抱える保護者の方は、少なくありません。
でも、ちょっと立ち止まってみてください。
就学前に大切なのは、“知識”よりももっと大切な「育ちの土台」なんです。
今回は、幼稚園・保育園で育てたい「学び」と「育ち」について、わかりやすくお話しします。
就学前に育てたい「3つのちから」
① 生きる力の“根っこ”
「ごはんをしっかり食べる」「よく遊ぶ」「よく眠る」──
そんな当たり前のことの積み重ねが、心と体の健康を支えます。
健やかな体、豊かな感性、自分でやってみようとする気持ち。
これらは、すべて「生きる力」の根っこになります。
② 遊びこむ力
就学前教育において、最も大切なのは「遊び」です。
砂場でトンネルを掘ることも、積み木で街を作ることも、
友だちとのごっこ遊びも、すべてが“学び”に直結しています。
空間認識や論理的思考(構造をつくる遊び)
社会性や言語力(ごっこ遊び・会話)
感情コントロール(けんか・仲直り)
机に向かわなくても、子どもたちは遊びの中でどんどん学んでいます。
③ 心の土台=安心感と自己肯定感
自分が大切にされていると感じること。
「だいじょうぶ」「あなたならできる」と信じてもらえること。
これが、自己肯定感の根っこになります。
逆に、褒められなければ動けない子、失敗を極端に怖がる子は、
自己肯定感がまだ育っていないサインかもしれません。
大人が“教えすぎない”ことの大切さ
就学前は、「教えること」より「見守ること」が大切です。
たとえば、
- 転びそうでもすぐに手を出さない
- 言葉に詰まっても、代わりに話さない
- おもちゃを取り合っても、すぐに仲裁しない
これらは、“自分で考える力”や“感情を整理する力”を育む大切な場面です。
子どもは「失敗」と「待ってもらえた時間」の中で、少しずつ伸びていきます。
幼児期は「根っこを育てる」時期
植物にたとえるなら、幼児期は「根っこ」を育てる時期。
根がしっかり張っていれば、
嵐が来ても倒れないし、花も実もつけられる。
反対に、根が弱ければ、いくら知識を詰め込んでもすぐに折れてしまう。
学力の前に、“土台となる力”をじっくり育てる。
これが、幼児教育の一番の役割です。
保護者の皆さんへ:焦らなくて大丈夫です
「周りの子より遅れてるかも…」
「もっと早く教えた方がいいのかな…」
そんな不安を感じたときこそ、子どもの“今”を見てください。
泣いて、笑って、友達とけんかして、仲直りして。
それだけで、十分に学んで、育っています。
そして何より、「あなたのままで大丈夫」と伝えてあげてください。
それこそが、どんな教材にも勝る“教育”になるのです。
まとめ:子どもは、遊びと愛で育つ
幼児期に大切なのは、
自由に遊ぶこと
信じてもらうこと
自分でやってみること
知識は、あとからでも間に合います。
でも、心の土台は「今」しか育てられません。
大人が「急がず、比べず、信じる」。
それが、子どもの未来を支える最大の力になります。