【小学校教育で本当に大切なこと】学力だけじゃない「育ち」の視点とは?

小学校での6年間。
それは、子どもたちが「人としての土台」をつくるとても大切な時期です。

国語や算数といった教科の力を育むことももちろん重要ですが、同じくらい——いや、場合によってはそれ以上に——注目したいのが、「非認知能力」や「人としての育ち」です。

今回は、小学校教育で本当に必要とされる「学び」と「育ち」について考えてみたいと思います。


学力=テストの点数だけじゃない

小学校で身につけるべき「学力」は、単にテストでいい点を取ることだけではありません。

自分の言葉で考え、伝える力(思考力・表現力)

他人の意見を聞き、折り合いをつける力(協調性・対話力)

失敗してもあきらめない力(粘り強さ・自己肯定感)

文部科学省の学習指導要領でも、「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」や「学びに向かう力・人間性」を重視しています。

つまり、「どう生きるかを考え、行動できる力」こそが、これからの時代を生きる子どもたちに必要なのです。


小学校で育てたい“非認知能力”とは?

「非認知能力」とは、数値で測ることが難しいけれど、人生を左右する力のこと。

たとえば──

やる気(内発的動機づけ)

自己コントロール力

他者への共感

自信や自己効力感

努力の継続力

アメリカの研究でも、このような力が将来の学業成績や年収、社会的成功と深く関わっていることが示されています。

つまり、「学ぶ力の土台」は、“人としての育ち”から始まるのです。


育ちを支える3つのキーワード

① 安心できる居場所

教室は「競争の場」であると同時に、「安心の場」であるべきです。
間違えても笑われない。頑張りが認められる。そんな空気の中で、子どもは伸びていきます。

② 関係性の中で学ぶ

人との関係の中でしか学べないことがあります。
たとえば、けんかを通じて「ごめんね」と言う勇気を学び、役割分担を通して「自分の責任」を知ります。

③ 小さな成功体験の積み重ね

「できた!」という経験は、子どもにとって何よりのエネルギーです。
学習でも生活でも、小さな成功の積み重ねが、自己肯定感を育てます。


まとめ:学びと育ちは、車の両輪

「学び」は、知識や技能を身につけること。
「育ち」は、人としての心や態度、感性を耕すこと。

どちらかだけでは、子どもはバランスよく成長できません。

家庭と学校が手を取り合い、「この子がどんな大人になってほしいか」を共有していくこと。
それが、小学校教育の本当の目的につながっていくのだと思います。


最後に:親や大人ができること

子どもにとって、最初の「教科書」は大人の姿です。
完璧である必要はありません。でも、「学ぶ姿勢」や「感情との付き合い方」を、大人が見せていくことが、子どもにとって何よりの教材になります。

焦らず、比べず、信じて、支える。

そんなまなざしが、子どもの未来を照らしていくのではないでしょうか。

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