「反抗期が始まって、何を考えてるか分からない」
「勉強についていけないのでは…」
「友だち関係が気がかりで…」
中学生の子どもを育てる中で、保護者や先生がぶつかる悩みは尽きません。
でも、そうした葛藤のすべては、子どもが大人へと向かう過程で必要なもの。
中学校の3年間は、単なる教科の学び以上に、“人としての軸”をつくるための大切な時間です。
中学校=「自立への助走期間」
小学校までの“育ち”を受けて、中学ではいよいよ**「自分で考え、選び、責任を持つ力」**が問われ始めます。
自分の意見を持ち、主張する力
他者と折り合いをつける力
自分の感情や行動をコントロールする力
これらは、「正解」がひとつではない社会の中で、生きていくための土台になります。
思春期=“自分って何?”と向き合う時期
中学生になると、急激に“内面”の成長が進みます。
自分の存在価値に悩む
他者との違いに戸惑う
社会の矛盾に敏感になる
これは、「考える力」がついてきた証拠でもあります。
だからこそ、知識の詰め込み以上に、「なぜ?」「どう思う?」と問い返す時間が必要です。
✔️ 思春期は“面倒”ではなく、“思考と感性が育つチャンス”。
中学生に必要な3つの「育ち」
① 自己決定の経験
中学生は、将来の進路や学習のスタイルなど、選択の幅が広がる時期です。
大人が先回りして道を決めるのではなく、失敗も含めて「自分で決める」経験が、自己肯定感と責任感を育てます。
② つまずきと向き合う力
勉強・人間関係・部活動…うまくいかないことが増えるのもこの時期。
大切なのは、「なぜ失敗したか」を考え、「次はどうするか」を学ぶこと。
支える側は、「正解」を教えるよりも、“考える場”と“立ち直る時間”を保障することが求められます。
③ 社会との接点
地域活動、ボランティア、職場体験…。
外の世界に触れる機会が、「自分は社会の一員である」という意識を育てます。
“勉強のための勉強”から、“生きるための学び”へと意識が変わっていく分岐点です。
大人ができることは、問い、待ち、信じる
中学生を支える上で、私たち大人にできることはシンプルです。
「どう思う?」と問いかけること
「答えが出るまで」待つこと
「あなたなら大丈夫」と信じること
彼らはまだ不安定で、失敗もたくさんします。
でも、自分の中に“答えを探す力”を少しずつ育てている最中です。
教科学習も“生きる力”につながる
もちろん、国語・数学・英語などの教科学習も大切です。
しかし目的は、点数を取ることではなく、
言葉で人とつながる力(国語・英語)
論理的に考える力(数学・理科)
社会の構造を理解する力(社会)
を身につけること。
すべては、「社会の中で自分の軸を持って生きていくため」の学びです。
「大人になる準備」は、大人に近づきすぎないこと
中学生は、子どもでも大人でもない、絶妙な時期にいます。
だからこそ、「大人の真似」ではなく、「自分らしい形での成長」を支えることが重要です。
- 思春期の不安定さを「成長のしるし」と捉える
- 競争より、探究や対話に目を向ける
- 知識より、「自分で考える習慣」を大切にする
焦らなくて大丈夫です。
彼らは時間をかけて、ちゃんと大人になります。
今、悩んでいる中学生へ
君の悩みは、無駄じゃない。
迷って、ぶつかって、考えた分だけ、君の「中身」は深くなる。
「正解のない時代」を生きるのは不安かもしれないけれど、
“正解のない世界”だからこそ、君の声には価値がある。