【幼稚園・保育園】3〜6歳
兆候(言葉ではなく“行動”に表れる)
- 登園を嫌がる(「お腹が痛い」「眠い」など身体症状を訴える)
- 急にかんしゃくを起こす/逆に無表情になる
- 友達の名前を話さなくなる
- 好きだった遊びを避ける、1人でいる時間が増える
- 夜泣き・おねしょの再発
SOSの出し方(子どものサイン)
- 絵に「黒・赤」ばかり使うなど、色彩が変わる
- 空想の話に「いじわるな子がいた」と出てくる
- 人形遊びで、暴力や仲間外れのやりとりを繰り返す
保護者の最適対応
- 否定せずに受け止める:「そんなことないよ」より「そう感じたんだね」
- 毎日の会話に“開かれた質問”を:「今日誰と遊んだの?」「どんな気持ちになった?」
- 担任に早めに相談(→園での様子をすり合わせ)
- 必要に応じて、家庭で“心が落ち着けるルーティン”を整える(絵本・スキンシップ)
【小学生】6〜12歳
兆候
- 持ち物が壊れたり、無くなったりする(頻繁に)
- 急に言葉遣いや態度が荒くなる/逆に無口になる
- 宿題・勉強を極端に嫌がるようになる
- 友達の話を避ける、特定の子の名前が出てこなくなる
- 朝の登校時に体調不良を訴える
SOSの出し方
- 日記やメモに「消えたい」「死にたい」などの言葉
- 「学校、行きたくない」の一言に本音が隠れている
- 「みんなで無視された」「バカって言われた」など、さらっと話すが深刻なケースも
保護者の最適対応
- まず否定せず、感情に寄り添う:「それはつらかったね」
- 話さない場合、無理に聞き出さない(共通の遊び・散歩などで徐々に話せる環境を)
- 担任やスクールカウンセラーと早期連携
- 無理に登校させるより、「安心できる居場所」を家庭に確保
- いじめ防止対策推進法にもとづき、学校側に記録と対応を求めることも可能
【中学生】12〜15歳
兆候
- 成績が急に落ちる/学習意欲の低下
- 食欲の変化(食べすぎる or 食べない)
- スマホ・SNSの使用状況に極端な偏り(過度 or 完全遮断)
- 表情が乏しくなる/「大丈夫」としか言わなくなる
- 頻繁に体調不良(頭痛・腹痛など)
SOSの出し方
- SNSで「もう疲れた」「誰も信じられない」などの投稿
- 寝る前にふと「生きてる意味あるのかな」とつぶやく
- 部活動・クラスでのポジションが急変(孤立・仲間外れ)
保護者の最適対応
- 行動や態度の「背景」に注目:叱る前に“何があったのか”を想像
- 話しにくいときは「手紙」「メッセージカード」も効果的
- 学校以外の大人(塾の先生・親戚など)と“複数の接点”を
- スマホ使用はルールより「対話と観察」でカバー(閲覧履歴の確認より、“気持ち”の把握)
- 精神的に不安定な兆候が強い場合は、児童精神科や相談機関へ早めの相談を
【高校生】15〜18歳
兆候
- 無気力・遅刻・欠席の頻発(しかも説明しない)
- 夜型生活の固定化(深夜スマホ・昼夜逆転)
- 「自分なんか…」という自己否定的な言葉が増える
- 急激な体重変化、過食・拒食、過度の疲労感
- 将来の話を極端に避ける、もしくは突発的な進路変更を言い出す
SOSの出し方
- SNSアカウントの裏(裏垢)でネガティブ発信
- 「友達に裏切られた」「どうでもいい」といった一言
- 自傷行為(リストカット・つめかみ・過度の爪噛みなど)
保護者の最適対応
- “干渉”ではなく“関心”を持ち続けること:「信じてるよ」のメッセージ
- 「話し合う」より「並んで同じ景色を見る」時間を(ドライブ・外食など)
- 必要なら学校外の大人や相談機関につなげる
- 専門機関に早めにアクセス(例:思春期外来、スクールカウンセラー、地域の心理相談室)
- 「大学・就職・将来」のプレッシャーが背景にある場合も多いので、“逃げ道”を提示する勇気も大切
保護者としての“共通原則”まとめ
原則 | 内容 |
---|---|
否定せず受け止める | 「それは考えすぎじゃない?」はNG。「そう感じたんだね」で始めること |
問い詰めず、環境づくりを優先 | 子どもが「話せるようになる」時間と環境をつくる |
1人で抱え込まない | 学校、第三者、相談機関に“早めに”共有・相談 |
「親が冷静でいること」 | 子どもは親の表情を敏感に読む。不安をそのままぶつけないよう注意 |
相談先(日本国内)
- 24時間子どもSOSダイヤル:☎️ 0120-0-78310(なやみ言おう)
- いのちの電話:☎️ 0570-783-556
- 子ども家庭支援センター(自治体により設置)
- 学校のスクールカウンセラー・養護教諭・信頼できる教員