下がる理由と交渉のリスクを知っておこう
「転職したら給料が下がるって本当?」
今の職場に不満があっても、この言葉に二の足を踏んでしまう人は少なくありません。生活に直結する「お金」のことだからこそ、不安になりますよね。
実は、転職で給料が下がるケースには明確な理由があります。そしてそのうえで、”給与交渉”という手段をとるかどうかの判断も、とても大事なポイントになります。
この記事では、
・なぜ転職で給料が下がるのか
・給与交渉はすべきか?
という2点を中心に、現実的な対策をお伝えします。
なぜ転職で給料が下がるのか?
転職によって給料が下がる理由は、大きく分けて3つあります。
① 転職者本人の印象が原因
面接の受け答えや、過去の職歴の多さなどから「この人、大丈夫かな?」という印象を与えてしまうと、年収を低めに提示されることがあります。企業は「リスク」を避けようとするからです。
印象は、言い換えれば「伝え方」。
たとえ転職回数が多くても、「そこから何を学んだか」「どんな姿勢で取り組んできたか」を自分の言葉で語れることが大切です。
② 仕事内容が軽くなる場合
前職ではマネジメントをしていたけれど、転職先ではプレイヤーとしての仕事のみ…といったように、仕事内容がシンプルになれば、その分、給料が下がるのも当然です。
ここは「労働量」や「責任」に比例する部分なので、事前に仕事内容を正確に把握し、納得して転職することが大切ですね。
③ 業種をまたぐ転職
たとえば、IT業界から飲食業界へ。これまでのスキルがそのまま使えない場合、経験は一度リセットされます。結果として「未経験扱い」となり、給料が下がるのは避けられません。
とはいえ、長期的に見て成長できる職場や、教育制度が整った会社であれば、それもひとつの「投資」だと言えるでしょう。
給与交渉はしてもいいの?
「前職より下がるのは嫌だ」と思ったとき、選択肢として浮かぶのが「給与交渉」です。
ですが、これは万能なカードではありません。
適切なタイミングと、自分の立ち位置を見誤ると、むしろ評価が下がってしまう可能性もあるからです。
◆ 給与交渉してもいい場合
- 前職と同業種・同職種での転職
- 数値で語れる実績がある(例:売上UP率、プロジェクト成功経験など)
- 会社に対して、具体的に貢献できる提案がある
つまり、自分の「付加価値」を明確に言語化できる場合は、交渉する意義があります。
◆ 給与交渉を控えたほうがいい場合
- 異業種へのチャレンジ
- キャリアの棚卸しができていない
- 「自分はもっともらうべきだ」という思いだけが先行している
また、給与交渉をすることで、相手企業の期待値が上がる点にも注意が必要です。
結果がすぐに出せなければ、周囲とのギャップやプレッシャーがストレスになることも。
最後に:自分の「市場価値」を知っておこう
転職による給与ダウンを恐れるのは当然のことです。
でも、本当に大事なのは「いまの自分が、どんな価値を持っているか」を冷静に見つめること。
給与は、自分のスキルや働き方、生き方を映す鏡です。
単に額面の問題ではなく、「どんな人生を選ぶのか」という問いでもあります。
自分に何ができて、何をしたいのか。
その延長線上に「納得できる給与」が見えてくるはずです。