なぜ人は死を恐れるのか

知らないことの怖さと、丹波哲郎のまなざし

「なぜ人は死を恐れるのか?」

この問いに、あるときふと出た自分なりの答えがある。
それは「知らないから」だ。

死んだらどうなるのか。
すべてが終わるのか、それとも続きがあるのか。
私たちは誰一人、死の“中身”を本当には知らない。
だから、怖い。
わからないから、不安になる。
確かめられないから、避けたくなる。

そんな「死」に、正面から向き合った人物がいた。
俳優・丹波哲郎。

彼は『大霊界』という映像作品を通じて、死後の世界を語った。
一部では“オカルト俳優”と揶揄されたが、本人は至って真剣だった。
死を語ることに、まるで躊躇がなかった。
「死は終わりではなく、通過点である」という信念を持っていたように見える。

もちろん、それが真実かどうかは誰にもわからない。
ただ確かなのは、彼は「知らない」ことに向き合い、自分なりに“知ろうとした”ということ。

人は、知らないから怖い。
でも、「知ろうとする姿勢」には、希望があると思う。

死を語ることは、タブーではなく、生を深く見つめ直す行為。
丹波哲郎のまなざしは、そう語っていたのかもしれない。

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