引きこもりの悩みと、家族が知るべき対策
「引きこもり」は単なる「家にいる状態」ではありません。
本人と家族が抱える根本的な悩みを理解することが、最初の一歩です。
■ 引きこもりの定義と特徴
◇ 厚生労働省の定義
✅ 6ヶ月以上社会的活動から撤退
✅ 自宅を中心に生活(※必ずしも「自室に閉じこもり」とは限らない)
◇ 3つの特徴パターン
- 「見た目」に現れるサイン
- 無口/家族にだけ強く出る(内弁慶)
- 昼夜逆転生活
- 性格的な傾向
- 真面目で完璧主義
- 他人と比較しやすい
- 自己否定感が強い
- 背景にある体験
- 不登校・いじめ経験
- 就職/受験失敗のトラウマ
- 発達障害・うつ病の併発
💡 重要な視点
「引きこもり=悪」ではない。
本人なりの自己防衛手段である場合も多い。
■ 本人の悩みTOP3
🥇 1位「この先どうすればいいかわからない」
- 例:「30代だが職歴がない」「友人が結婚していく焦り」
- 対策:
→ 小さな目標設定(例:1日1回散歩)
→ 就労支援センターの「体験プログラム」から始める
🥈 2位「社会に出るのが怖い」
- 例:「面接でまた失敗するかも」「人間関係が不安」
- 対策:
→ オンラインコミュニティで練習
→ アルバイトより「ボランティア」から挑戦
🥉 3位「同じ境遇の人と話したい」
- 例:「家族には理解されない孤独感」
- 対策:
→ ひきこもり当事者会(例:KHJ全国ひきこもり家族会連合会)
→ SNSで#ひきこもり 検索
🔍 その他の悩み
- 「生きづらさ」の正体がわからない
- 家事すら続かない自己嫌悪
■ 家族の悩みTOP3
🥇 1位「どう接すればいいかわからない」
- 例:「声をかけると怒る」「放置すべき?」
- 答え:
✅ 「ドア越し」で会話から始める
✅ 「今日のご飯何がいい?」など圧力ゼロの質問
🥈 2位「将来の経済的不安」
- 例:「私たちが死んだ後どうなるのか」
- 具体策:
→ 障害年金の申請を検討
→ 自治体の「生活困窮者自立支援制度」活用
🥉 3位「してあげられることがない」
- 意外な事実:
家族の「見守り」自体が最大の支援 - 行動例:
→ 本人の好きな漫画をこっそり部屋に置く
→ 「〇〇さんからメッセージ来てたよ」と第三者を介した伝言
⚠️ 注意点
「早く働け!」は逆効果。
1年かけて1歩進めば成功と考える。
■ おすすめ書籍3選
- 『hikikomori@NHK』
→ データと事例で「引きこもりのリアル」がわかる - 『私がひきこもった理由』
→ 15人の体験談から「共感」を得られる - 『安心ひきこもりライフ』
→ 「今を生きるヒント」が見つかる
■ 専門家からのアドバイス
「焦らないでください。
引きこもり期間は、心の充電期間と捉えて。
まずは『今日の夕飯を一緒に食べる』だけでも立派な進歩です」
(精神科医・田中先生談)
まとめ
- 本人の悩みは「将来不安」「社会恐怖」「孤独」
- 家族は「見守り」が最高のサポート
- 小さな変化を「進歩」と認めることが大切
🔗 相談先
- ひきこもり地域支援センター
- 各自治体の「生活サポート窓口」