リストラは“終わり”じゃない──物価高・賃上げ時代に必要な視点

物価高、そして賃金上昇。
それ自体は生活者にとって“歓迎すべきニュース”のように見えるかもしれません。
しかし今、企業の裏側では静かに、そして確実に「選別」が進んでいます。

2024年以降、企業は賃上げ圧力にさらされる一方で、売上や利益の上昇がそれに追いつかないという状況に直面しています。つまり「全員に給料を上げる」ことが、もはや経営の常識ではなくなってきている。

この構造変化の中で、もっとも厳しく問われるのが「生産性」です。

ひとりの社員がどれだけの付加価値を生み出せているのか。
その成果が、他者との比較で測られ、場合によっては「リストラ」という選択肢が現実のものになります。

生産性の低い業務やポジションは、AIや海外アウトソーシングに取って代わられ、企業は効率を優先するようになります。特に中間管理職や「いてもいなくても変わらない」と評価される業務は、構造改革の最初の対象になります。

では、リストラされた人は「終わり」なのか?
──そんなことはありません。

むしろ、これからが「本当の選択のとき」です。
これまでの肩書や会社の看板を脱ぎ捨てて、自分自身が何者なのかを問い直すチャンスでもある。

・会社員という立場を超えて、フリーランスやパラレルキャリアを模索する人
・長年の趣味や特技を活かして、独自のスモールビジネスを始める人
・地域社会や教育現場で、新たな役割を見出す人

変化のスピードが速い時代だからこそ、「組織の中で生き延びる力」よりも、「組織の外で生き抜く力」が求められています。

リストラは痛みを伴う出来事です。
でも、それは“誰かに選別された人生の終わり”ではなく、“自分で選び直す人生のはじまり”にもなる。

これからの時代、「一度レールを外れた人」にこそ、次の時代をつくるチャンスがあります。
リストラは敗北ではなく、再構築の第一歩。
社会の変化に嘆くだけではなく、自分自身の変化に向き合ってみませんか。

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