石垣に宿る祈りと誇りを感じる時間
沖縄の“城(グスク)”は、私たちが本州で思い描く「城郭」とは少し違います。
石積みで築かれ、王国の祈りや生活の場でもあったその空間は、「戦うための城」ではなく「生きるための場所」でした。
今回紹介するのは、世界遺産にも登録された琉球王国のグスク群を中心に、心で歩く沖縄の城廻り5選です。
1. 今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
沖縄北部・海と共に生きた山城
かつて北山王が築いた拠点。石垣の曲線美と、眼下に広がる海の青さは、今でも圧倒されるほどの美しさ。
- 🏯 見どころ:蛇行する石垣、桜と城のコントラスト(1月末〜2月が見頃)
- 🚗 アクセス:那覇から車で約1時間40分
- 💡 入場料:大人400円
2. 中城城跡(なかぐすくじょうあと)
曲線の石垣が織りなす芸術建築
「築城名人」護佐丸によって築かれた名城。6つの郭から成る構造と、高低差を活かした造りは、城というよりも“石の詩”のよう。
- 🏯 見どころ:高度な石積技術と海を望む眺望
- 🚗 アクセス:那覇から車で約40分
- 💡 入場料:大人400円
3. 首里城跡(しゅりじょうあと)
琉球王国の象徴、そして再生の城
かつての琉球王国の中心地。2019年の火災で正殿は焼失しましたが、復元工事とともに、文化の再生が進んでいます。
- 🏯 見どころ:復元工事の過程を“生で見る”貴重な経験
- 🚶 アクセス:那覇市内(ゆいレール「首里駅」から徒歩15分)
- 💡 入場料:一部区域は無料、正殿周辺は有料エリア(大人400円)
4. 勝連城跡(かつれんじょうあと)
天空に浮かぶようなグスク
断崖に築かれた城。まるで空に向かってせり上がるような石垣が印象的で、護佐丸の勇姿を今も感じさせます。
- 🏯 見どころ:パノラマ展望と、夕暮れ時の神秘的な空気
- 🚗 アクセス:那覇から車で約1時間
- 💡 入場料:無料(資料館見学は任意寄付)
5. 座喜味城跡(ざきみじょうあと)
最も保存状態の良いグスクの一つ
戦争の被害も少なく、オリジナルの石垣が色濃く残る貴重な遺構。コンパクトながら、沖縄の築城技術を知るには最適な場所。
- 🏯 見どころ:二重のアーチ門・独特な石積みパターン
- 🚗 アクセス:那覇から車で約1時間
- 💡 入場料:無料
おすすめモデルコース(半日〜1日)
✅ 1日北部コース
- 今帰仁城 → 古宇利島観光 → 美ら海水族館(夕方)
✅ 半日中部コース
- 座喜味城 → 勝連城 → 中城城
✅ 市内お手軽コース
- 首里城 → 玉陵(たまうどぅん)→ 旧海軍壕
最後に──
沖縄の城(グスク)には、戦国の香りはあまりありません。
代わりにあるのは、風の音、石の温度、そして祈りの記憶。
それらは今も、訪れる私たちの心に静かに語りかけてくれます。