日本の物流インフラが、静かに、しかし急速に変わり始めている。
先日、日本郵便の一部事業者に対し「資格停止」の処分が下された。原因は、法令違反やずさんな管理体制、ドライバーの過剰労働などが重なった結果とされている。日本郵便という長年信頼されてきたインフラの一角でさえ、制度疲労と現場の逼迫に直面している現実を浮き彫りにした。
一方で、都市部を中心に「置き配」の導入が加速度的に進んでいる。再配達問題の解消や人手不足への対処として歓迎される向きもあるが、盗難リスクや受け取り側の不安も根強い。利便性と安全性のトレードオフを、社会全体でどう受け止めるべきかが問われている。
このような物流変革の裏で、より大きな変化が進行している。
街を走る配送車やタクシーには、中国製EV(電気自動車)が急増しているのだ。補助金政策と低価格、そしてバッテリー性能の進化により、日本国内の事業者も中国製EVに乗り換える動きが加速している。トヨタや日産といった国内メーカーの牙城が、静かに崩れ始めているともいえる。
さらに、トラック業界では外国人ドライバーの採用が本格化している。人手不足の深刻化と「2024年問題」――すなわちドライバーの労働時間規制強化により、日本人だけでは供給が追いつかなくなっているのだ。技能実習制度の見直しとともに、今後は「外国人労働者なしには成り立たない物流」が現実のものとなる可能性がある。
このような政策と現場のギャップが浮かぶ中、注目すべきは国土交通省の現在のトップが公明党出身である点だ。公明党はかねてからインフラ整備や交通安全に力を入れてきたが、一部では「外国人受け入れ推進」や「中国製EVへの静かな容認姿勢」も指摘されており、その舵取りには多くの国民が注目している。
郵便局の資格停止、置き配の急増、外国人ドライバー、中国製EVの波――。これらはすべて別々のニュースに見えるが、実は「日本の物流システム再編」という一本の線でつながっている。そしてその裏には、政策決定の方向性や国交省の動きが密接に関わっている。
私たちは今、便利さと引き換えに、何を失おうとしているのか。物流の未来を問う時、それは同時に「日本という国のかたち」を問うことでもあるのかもしれない。