「頭が良い人」と聞いて、どのような人を思い浮かべるでしょうか。
テストで満点を取る人。
難しい問題をすぐに解ける人。
有名な大学を卒業した人。
確かに、それらは素晴らしい能力です。
しかし、教育に携わる中で私が何より大切だと感じるのは、人を思いやる心です。
極端な言い方かもしれませんが、
頭が良くても、人の心がない人になるくらいなら、頭が悪くても、人に優しい人に育ってほしい。
そう思うことがあります。
学力は「何のため」にあるのか
私たちは子どもに勉強を教えます。
それは偏差値を上げるためだけではありません。
知識を身につけることで、自分の可能性を広げ、社会に貢献できる人になってほしいからです。
しかし、その知識が人を傷つけるために使われるなら、教育の目的から外れてしまいます。
高い知能は、大きな力です。
だからこそ、その力をどう使うかを決める人格や倫理観が欠かせません。
優しさは弱さではない
「優しい子は損をする。」
そんな言葉を耳にすることがあります。
ですが、本当の優しさとは、ただ人に合わせることではありません。
困っている人に手を差し伸べること。
相手の立場を想像すること。
自分とは違う考えを尊重すること。
失敗した人を笑わず、励ますこと。
こうした行動には、勇気や強さが必要です。
優しさとは、弱さではなく、人としての強さなのです。
私が学力をつけてほしいのは、優しい子たち
だから私は、心の優しい子にこそ学力を身につけてほしいと思っています。
優しい人が知識を持てば、困っている人を助ける方法が増えます。
優しい人が社会で活躍すれば、周囲に安心や信頼を広げることができます。
優しい人が教師になれば、子どもの気持ちに寄り添えます。
優しい人が医師になれば、不安を抱える患者に希望を与えられます。
優しい人が経営者になれば、働く人を大切にする職場をつくれるかもしれません。
学力は、それ自体が目的ではありません。
優しさを社会で生かすための力にもなり得るのです。
教育が育てるべきもの
もちろん、学力は大切です。
努力する力も必要です。
考える力も欠かせません。
しかし、それらの土台にあるのは、人を大切にする心ではないでしょうか。
どれほど優秀でも、人を見下し、傷つける人になってしまえば、その能力は社会を豊かにするとは限りません。
反対に、思いやりのある人が学び続け、力を身につければ、その知識や能力は多くの人を支える力になります。
最後に
私は教育者として、子どもたち全員に高い学力を身につけてほしいと願っています。
でも、それ以上に願うことがあります。
それは、人の痛みが分かる人になってほしいということです。
そして、そんな優しい子どもたちにこそ、自分の可能性を広げられるだけの学力を身につけてほしい。
学力は人を評価するためのものではありません。
人を幸せにするために使われてこそ、本当の価値を持つ。
私は、そのような教育を目指していきたいと思っています。