長崎県立大崎高校が教えてくれた「教育の本当の価値」
私の父の母校は、長崎県立大崎高校です。
かつては生徒数の減少により、廃校が検討されるほど厳しい状況に置かれていました。
地方では少子化が進み、「学校がなくなる」という現実は決して珍しい話ではありません。
しかし、大崎高校は全国から注目される学校へと変わりました。
そのきっかけの一つが、野球部です。
2021年夏、第103回全国高校野球選手権長崎大会で優勝し、創部以来初めて甲子園出場を果たしました。
決して全国から有名選手を集めた学校ではありません。
特別な設備があったわけでもありません。
指導者と選手たちは、「凡事徹底」を合言葉に、あいさつ、掃除、時間を守ること、道具を大切にすることなど、ごく当たり前のことを誰よりも徹底してきました。
野球の技術だけを追い求めるのではなく、人としての土台を育てる教育を積み重ねたのです。
その積み重ねが、甲子園という大きな舞台につながりました。
私は、この話には教育の本質があると思います。
勉強も同じです。
成績が伸びる子は、最初から才能に恵まれているとは限りません。
毎日机に向かう。
宿題を忘れない。
分からないことを質問する。
間違えた問題を解き直す。
一つひとつは特別なことではありません。
しかし、その「当たり前」を続けられる子は、確実に成長していきます。
逆に、近道ばかり探してしまうと、本当の実力は身につきません。
教育とは、魔法ではありません。
毎日の積み重ねが、人を変えます。
そして、それは学校にも言えることです。
生徒数が少ないからといって、教育の価値まで小さいわけではありません。
地域に支えられ、先生方が本気で子どもたちと向き合えば、小さな学校でも全国に誇れる成果を生み出すことができます。
大崎高校の甲子園出場は、野球部だけの物語ではありません。
「人を育てる教育は、学校を変え、地域を変える。」
そのことを証明してくれた出来事だったのではないでしょうか。
父の母校が、多くの人に希望を与える学校となったことを、一人の卒業生の家族として誇りに思います。
子どもたちにも、「特別な才能」より「当たり前を続ける力」の大切さを伝えていきたいと思います。