「年収1000万円」と聞くと、今でも高収入というイメージを持つ人は多い。
しかし、本当にそうだろうか。
20年前の1000万円と、今の1000万円では、その価値は大きく変わっている。
20年前の1000万円
2000年代前半、日本はまだデフレ傾向にあり、物価は比較的安定していた。
住宅ローン金利は現在より高い時期もあったが、日常生活では、
- スーパーでの食料品
- 外食
- ガソリン
- 光熱費
など、現在より負担が軽いものも少なくなかった。
また、社会保険料や税負担も現在とは制度が異なり、家計への影響は今とは違っていた。
年収1000万円があれば、
- マイホームを購入する
- 子どもを大学まで進学させる
- 年に数回旅行へ行く
- 車を所有する
- 一定額の貯蓄や投資をする
という生活を現実的に描きやすかった家庭も多かった。
今の1000万円
一方、現在は状況が変わっている。
食料品や電気・ガス料金などの生活必需品は値上がりし、社会保険料の負担も増えている。
さらに、都市部では住宅価格やマンション価格も大きく上昇した。
そのため、年収1000万円であっても、
「思っていたほど余裕がない」
と感じる家庭は珍しくない。
特に子育て世帯では、
- 教育費
- 習い事
- 通信費
- 保険料
- 車の維持費
などが重なり、自由に使えるお金は想像以上に少なくなることもある。
お金の数字ではなく、「買えるもの」が価値を決める
1000万円という数字は変わらない。
しかし、その1000万円で買える商品やサービスは変わっている。
経済学では、お金の本当の価値は「購買力」で考える。
同じ1000万円でも、買えるものが減れば、実質的な価値は下がっているということになる。
豊かさとは何か
もちろん、年収1000万円は依然として多くの人にとって高い収入である。
しかし、数字だけを見て「1000万円あるから十分豊かだ」と考えるのは現実を十分に反映していない。
豊かさとは、年収の金額だけではなく、
- どれだけ自由に使えるお金があるか
- 将来への不安が少ないか
- 家族との時間を持てるか
といった要素も大きく関係している。
20年前の1000万円と、今の1000万円。
同じ数字でも、その中身は決して同じではない。
だからこそ、私たちは年収という数字だけで生活の豊かさを判断するのではなく、「実際にどのような暮らしができるのか」という視点で考えることが大切なのではないだろうか。