「音を浴びる」という体験。ロックを超えた芸術と呼びたいバンドたち。
前回は、私が長年聴き続けている10組のバンドを紹介しました。
Nine Inch Nails、Deftones、Porcupine Tree、ISIS、Radiohead……。
どのバンドにも共通していたのは、「派手さ」よりも「世界観」を大切にしていることでした。
今回は、その流れでぜひ聴いてほしいバンドを紹介します。
「ロック」という言葉だけでは説明できない、音そのものが芸術作品になっているようなバンドたちです。
① Tool
このブログを書くなら、最初に紹介しなければならないバンドです。
もし「21世紀最高のロックバンドは?」と聞かれたら、多くの音楽ファンがToolの名前を挙げるでしょう。
複雑な変拍子。
哲学や心理学、数学、神秘思想まで取り入れた歌詞。
そしてダニー・ケアリーの人間離れしたドラミング。
最初は難しく感じるかもしれません。
しかし、一度ハマると抜け出せません。
おすすめアルバム
『Lateralus』
おすすめ曲
「Schism」
② A Perfect Circle
Toolのメイナード・ジェームス・キーナンが参加するもう一つのバンド。
Toolよりもメロディを重視し、美しさが際立っています。
静かに始まり、感情が少しずつ高まっていく。
そんな楽曲構成は何度聴いても飽きません。
おすすめアルバム
『Thirteenth Step』
おすすめ曲
「Weak and Powerless」
③ Cult of Luna
ポストメタルを語るなら、このバンドは外せません。
重いリフを鳴らすだけではありません。
静寂をここまで美しく使えるバンドはそう多くありません。
音が積み重なり、最後には巨大な津波のようなサウンドになります。
おすすめアルバム
『Somewhere Along the Highway』
おすすめ曲
「Leave Me Here」
④ Neurosis
ISISやCult of Lunaに多大な影響を与えた伝説的存在。
ヘヴィメタルでもハードコアでもありません。
絶望や祈りを音にしたような作品です。
決して気軽に聴ける音楽ではありません。
だからこそ心に残ります。
おすすめアルバム
『Through Silver in Blood』
おすすめ曲
「Locust Star」
⑤ Russian Circles
歌がありません。
インストゥルメンタルだけで感情を表現します。
それでも、不思議なくらい景色が見えてきます。
映画音楽が好きな人にもおすすめです。
おすすめアルバム
『Station』
おすすめ曲
「Harper Lewis」
⑥ Pelican
こちらもインストゥルメンタル中心。
しかしRussian Circlesより温かみがあります。
ヘヴィなのに優しい。
そんな珍しい魅力を持っています。
おすすめアルバム
『The Fire in Our Throats Will Beckon the Thaw』
おすすめ曲
「March Into the Sea」
⑦ Loathe
「現代版Deftones」と言われることもあります。
轟音と美しいメロディ。
激しさと静けさ。
そのバランスが絶妙です。
若い世代のバンドですが、90年代オルタナティブロックへのリスペクトを強く感じます。
おすすめアルバム
『I Let It In and It Took Everything』
おすすめ曲
「Two-Way Mirror」
⑧ Hum
FailureやDeftonesが好きなら、ぜひ聴いてほしいバンド。
シューゲイザーのような浮遊感と、グランジの重厚さを兼ね備えています。
派手ではありません。
でも、気が付くと何度も再生してしまう。
そんな不思議な魅力があります。
おすすめアルバム
『Downward Is Heavenward』
おすすめ曲
「Stars」
⑨ Nothing
重たいギターの壁。
その奥から聴こえてくる美しいメロディ。
「シューゲイザー」と「ヘヴィロック」がここまで自然に融合するとは驚きです。
夜、一人で聴くと特に心に響きます。
おすすめアルバム
『Guilty of Everything』
おすすめ曲
「Dig」
⑩ Superheaven
90年代グランジへの愛情があふれるバンド。
Alice in ChainsやFailureを現代に蘇らせたようなサウンドです。
懐かしいのに新しい。
そんな感覚になります。
おすすめアルバム
『Jar』
おすすめ曲
「Youngest Daughter」
⑪ Riverside
ポーランドが誇るプログレッシブロックの名バンド。
Porcupine Treeが好きなら、真っ先におすすめしたい存在です。
繊細さと重厚さ、そのバランスが見事です。
おすすめアルバム
『Second Life Syndrome』
おすすめ曲
「Conceiving You」
⑫ Soen
Toolの影響を受けながらも、よりメロディアス。
知的で、美しく、それでいて力強い。
近年のプログレッシブメタルではトップクラスの完成度だと思います。
おすすめアルバム
『Lotus』
おすすめ曲
「Lotus」
⑬ The Ocean
地質学や進化、生物学をテーマにアルバムを制作するという異色のバンド。
音楽と学問を融合させたような存在です。
激しいだけではなく、知的好奇心まで刺激されます。
おすすめアルバム
『Pelagial』
おすすめ曲
「Bathyalpelagic II」
「音楽は勉強と同じ」
これらのバンドに共通するのは、「一回聴いただけでは分からない」ということです。
難しい本を一度読んだだけでは理解できないように、何度も聴くことで少しずつ見えてくる世界があります。
教育の世界でも同じです。
公式を一度覚えただけでは、本当の理解にはなりません。
繰り返し考え、失敗し、また挑戦する。
その積み重ねが、本当の力になります。
音楽も勉強も、「時間をかけて向き合う価値があるもの」。
だから私は、このような音楽に惹かれるのかもしれません。
次回はいよいよ最終章。
Mad Season、Temple of the Dog、Screaming Trees、Oceansize、Dredg、Mewなど、「90年代の魂」と「未来のロック」をつないだ名バンドたちを紹介したいと思います。