90年代の魂は、今も鳴り続けている。音楽は時代を超えて受け継がれる。
このシリーズでは、私が長年聴き続けているバンドと、その流れで出会った素晴らしいアーティストたちを紹介してきました。
Nine Inch Nailsから始まり、Deftones、Porcupine Tree、Tool、Cult of Luna……。
どのバンドにも共通していたのは、「流行を追わない」という姿勢です。
売れるために音楽を作るのではなく、自分たちが信じる音楽を追求する。
だからこそ、何十年経っても色褪せないのだと思います。
今回は、その締めくくりとして、90年代の空気を今に伝えるバンドと、そこから新しい時代へ橋を架けたアーティストを紹介します。
① Mad Season
グランジという時代が生んだ奇跡のスーパーグループ。
Alice in Chainsのレイン・ステイリー、Pearl Jamのマイク・マクレディらが集まり、わずか1枚のアルバムを残しました。
その作品『Above』には、苦しみや葛藤、希望がありのまま刻まれています。
特に「River of Deceit」は、ロック史に残る名曲です。
おすすめアルバム
『Above』
おすすめ曲
「River of Deceit」
② Temple of the Dog
こちらもシアトルが生んだ伝説。
Soundgardenのクリス・コーネルと、後にPearl Jamとなるメンバーが集まり、亡き友へ捧げたアルバムです。
派手さはありません。
しかし、友情や喪失感がこれほど真っ直ぐ伝わる作品はそう多くありません。
おすすめアルバム
『Temple of the Dog』
おすすめ曲
「Hunger Strike」
③ Screaming Trees
グランジ四天王ほどの知名度はないかもしれません。
しかし、知る人ぞ知る名バンドです。
マーク・ラネガンの渋く深い歌声は、一度聴いたら忘れられません。
グランジというより、ブルースやサイケデリックロックの香りも感じさせます。
おすすめアルバム
『Dust』
おすすめ曲
「All I Know」
④ Oceansize
私が「もっと多くの人に知られてほしい」と思うバンドの一つです。
Porcupine Treeが好きなら、きっと気に入るでしょう。
静けさと轟音。
繊細さとダイナミックさ。
そのバランスは見事です。
アルバム全体が一つの映画のように感じられます。
おすすめアルバム
『Frames』
おすすめ曲
「Trail of Fire」
⑤ Dredg
オルタナティブロックとプログレッシブロックの中間に位置するような存在。
決して難解ではありません。
しかし、何度も聴くことで新しい魅力が見えてきます。
「説明できないけれど好き。」
そんな感覚になるバンドです。
おすすめアルバム
『El Cielo』
おすすめ曲
「Same Ol’ Road」
⑥ Mew
デンマーク出身のオルタナティブロックバンド。
幻想的で透明感のあるサウンドは唯一無二。
RadioheadやSigur Rósが好きな人にもおすすめです。
美しいメロディと複雑なアレンジが絶妙に融合しています。
おすすめアルバム
『And the Glass Handed Kites』
おすすめ曲
「Special」
音楽は「流行」ではなく「人生」とともにある
最近は、AIが好みに合う音楽を勧めてくれます。
サブスクリプションサービスを開けば、何千万曲もの音楽が並んでいます。
とても便利な時代です。
しかし、それでも私は、学生時代に出会った音楽へ何度も戻ります。
嬉しいとき。
落ち込んだとき。
仕事で壁にぶつかったとき。
人生の節目には、決まって同じアルバムを再生しています。
それは単なる「音楽」ではなく、自分の人生そのものが詰まった思い出だからです。
教育も、音楽も同じ
私は教育の仕事をしています。
子どもたちには、「流行っているから」ではなく、「自分が本当に好きなもの」を見つけてほしいと思っています。
勉強も同じです。
点数だけを追いかけるのではなく、「知ることが面白い」と感じる瞬間があります。
その瞬間を知った子どもは、自分から学び始めます。
音楽も、読書も、スポーツも同じです。
誰かに評価されるためではなく、自分自身が心から好きになれるものを持つ。
それは人生を豊かにしてくれます。
最後に
今回紹介したバンドは、決してテレビで毎日のように流れる音楽ではありません。
だからこそ、一度出会うと忘れられない魅力があります。
もしこの記事の中で一つでも気になるバンドがあれば、ぜひ一曲だけでも聴いてみてください。
もしかしたら、その一曲が10年後、20年後もあなたの人生に寄り添う「特別な一曲」になるかもしれません。
音楽は、時代を超えます。
そして、本当に良い音楽は、人の心にも世代にも国境にも、静かに生き続けるのです。