「静寂」と「轟音」の美学。なぜ私は、この音楽に惹かれ続けるのか。
前回まで3回にわたり、私が好きなバンドを紹介してきました。
Nine Inch Nails、Deftones、Tool、Porcupine Tree、Radiohead、Soundgarden……。
共通していたのは、「売れる音楽」ではなく、「心に残る音楽」。
そして今回は、その先にある世界です。
ここから紹介するバンドは、さらに深く、さらに広い音楽の世界へ連れて行ってくれます。
派手なメロディや分かりやすいサビではなく、静寂と轟音、緊張と解放、絶望と希望を一つの作品として描くアーティストたちです。
① Meshuggah
「現代メタルに最も影響を与えたバンド」と言われることもあるスウェーデンの巨人。
複雑なポリリズム、不規則なリズム構成、圧倒的な重量感。
最初は何拍子なのか分からないほどですが、不思議と身体がそのグルーヴを覚えてしまいます。
現在では「Djent(ジェント)」と呼ばれるサウンドの源流としても知られています。
おすすめアルバム
『obZen』
おすすめ曲
「Bleed」
② Katatonia
激しさではなく、「切なさ」で勝負するバンド。
北欧らしい冷たい空気感と、美しいメロディ。
落ち込んだ日に聴くと、不思議と心が落ち着きます。
Porcupine TreeやAnathemaが好きな人にはぜひ聴いてほしい一組です。
おすすめアルバム
『The Great Cold Distance』
おすすめ曲
「My Twin」
③ Opeth
デスメタルとプログレッシブロック。
本来なら相反する二つの要素を見事に融合させたバンドです。
激しいパートからアコースティックギターへ。
怒りから静寂へ。
その展開はまるで一本の映画を観ているようです。
おすすめアルバム
『Blackwater Park』
おすすめ曲
「Harvest」
④ Sigur Rós
アイスランドが生んだ奇跡。
歌詞は意味のない言葉(ホープランド語)で歌われることもあります。
それでも感情は伝わります。
音楽に国境はない。
そのことを教えてくれるバンドです。
おすすめアルバム
『Ágætis byrjun』
おすすめ曲
「Svefn-g-englar」
⑤ Alcest
ブラックメタルとシューゲイザーを融合させ、「ブラックゲイズ」というジャンルを確立したフランスのバンド。
轟音なのに美しい。
激しいのに優しい。
DeftonesやNothingが好きなら、きっと心をつかまれるでしょう。
おすすめアルバム
『Écailles de Lune』
おすすめ曲
「Autre Temps」
⑥ Mogwai
ポストロックを代表する存在。
歌はほとんどありません。
それでも、映画を一本観終わったような感動があります。
静かに始まり、少しずつ盛り上がり、最後に轟音が押し寄せる。
この構成は、多くのポストロックバンドに影響を与えました。
おすすめアルバム
『Mr. Beast』
おすすめ曲
「Auto Rock」
⑦ Explosions in the Sky
映画『Friday Night Lights』の音楽でも知られるアメリカのポストロックバンド。
希望や挫折、挑戦、再生。
歌がなくても、人の人生を描けることを証明したバンドです。
勉強や仕事で疲れた夜にも、不思議と寄り添ってくれます。
おすすめアルバム
『The Earth Is Not a Cold Dead Place』
おすすめ曲
「Your Hand in Mine」
音楽は「答え」を与えない
私が好きな音楽には、一つの共通点があります。
すぐに答えを教えてくれないことです。
一度聴いただけでは分からない。
十回聴いても分からない。
でも、ある日突然、その意味が分かる。
人生経験が増えるほど、新しい景色が見えてくる。
そんな作品ばかりです。
教育も同じ
教育でも、「すぐ答えを教える」ことは簡単です。
しかし、本当に大切なのは、自分で考え、自分で答えを見つける力を育てることではないでしょうか。
難しい問題に何度も挑戦し、失敗し、それでも考え続ける。
その経験こそが、本当の学びになります。
だから私は、音楽にも教育にも共通する魅力を感じています。
20年以上聴き続けて思うこと
高校生や大学生の頃に夢中になった音楽を、40代になった今でも聴いています。
不思議なのは、昔よりも今の方が深く理解できることです。
若い頃は「かっこいい」と思っていた曲が、今では人生そのものを語っているように聴こえます。
音楽は年齢とともに成長するのではありません。
成長しているのは、自分自身なのかもしれません。
だから、これからも新しい音楽を探しながら、昔出会った名盤を何度も聴き返していきたいと思います。
きっと10年後も、20年後も。