近年、多様性やインクルーシブ教育が重視されるようになり、障害への理解が社会全体で進んできました。これは歓迎すべき変化です。
一方で、時折こんな意見を耳にします。
「私は障害があるから、多少迷惑をかけても仕方がない。」
「障害があるのだから注意しないでほしい。」
しかし、ここで考えたいのは、「配慮」と「何をしても許されること」は全く別だということです。
障害がある人も、ない人も、社会の中で生きています。社会は互いに配慮しながら成り立っていますが、その前提には「他者を尊重する」という共通のルールがあります。
もちろん、障害によって本人の意思だけではコントロールが難しい行動がある場合もあります。そのような場合は、本人だけでなく周囲や支援者も含めた環境調整や支援が重要になります。
しかし、障害の有無を理由に「他人へ迷惑をかけても責任を問われない」という考え方まで認めてしまえば、社会のルールそのものが成り立たなくなります。
権利には責任が伴います。
これは障害の有無、年齢、性別、国籍に関係なく、誰にも共通する原則です。
子どもたちにも伝えたいのは、「困ったときは助けを求めていい。でも、助けてもらうことと、何をしても許されることは違う」ということです。
本当の共生社会とは、一方だけが我慢する社会ではありません。
互いに理解し、互いに配慮し、互いに責任を果たそうとする社会です。
教育とは、そのバランスを学ぶ営みでもあります。