「掃除は心を磨く」鍵山秀三郎が教えてくれる、本当の教育

学校で掃除の時間があることに、子どもの頃は疑問を持った人も多いのではないでしょうか。

「掃除は掃除の人がやればいい。」

「勉強とは関係ない。」

そんな声を耳にすることもあります。

しかし、一人の経営者は、掃除には人を育てる力があると信じ、何十年も実践し続けました。

その人物が、カー用品販売チェーン「イエローハット」の創業者、鍵山秀三郎です。

掃除は仕事ではなく、人づくりだった

鍵山秀三郎氏は、会社の経営が苦しい時代から、自ら率先して会社やトイレの掃除を続けました。

最初は社員から理解されず、「そんなことをして何になるのか」と言われたこともあったそうです。

それでも、毎日黙々と掃除を続けました。

やがて社員も少しずつ参加するようになり、その姿勢が会社全体の文化へと変わっていきました。

鍵山氏が大切にしたのは、掃除そのものではなく、掃除を通して人間性を磨くことでした。

なぜ掃除が教育になるのか

掃除をすると、床の小さなごみや机の汚れに気づくようになります。

つまり、「気づく力」が育ちます。

さらに、

  • 汚れている場所をそのままにしない責任感
  • 面倒なことでも最後までやり切る忍耐力
  • 次に使う人のことを考える思いやり

も養われます。

これらは、テストでは測れません。

しかし、社会ではとても大切な力です。

勉強も掃除も共通している

勉強ができるようになる子には共通点があります。

机の上が整理されている。

提出物を期限までに出す。

ノートを丁寧に書く。

忘れ物が少ない。

もちろん、部屋が散らかっていても優秀な人はいます。

一方で、日々の整理整頓や身の回りを整える習慣は、学習習慣や自己管理能力と関係があることが、多くの教育現場で指摘されています。

掃除は、「きれい好きになること」だけが目的ではありません。

自分の行動を整える練習でもあるのです。

子どもは大人の姿を見ている

家庭で、

「片付けなさい。」

と言いながら、大人の部屋が散らかっていたらどうでしょう。

学校で、

「時間を守りなさい。」

と言いながら、大人が時間に遅れていたらどうでしょう。

子どもは言葉よりも行動を見ています。

鍵山氏は、社員に掃除を命じる前に、自分が一番汚れる場所を掃除しました。

この姿勢は、教育にもそのまま当てはまります。

親も先生も塾講師も、

まず自分が行動する。

その背中を見て、子どもは学びます。

最後に

現代は、効率が重視される時代です。

「時間を節約すること」が評価される場面も多くあります。

しかし、人間として成長するためには、効率だけでは測れない時間があります。

掃除をする時間。

本を読む時間。

誰かのために行動する時間。

どれもすぐに結果は出ません。

それでも、その積み重ねが人格を形づくります。

鍵山秀三郎氏は、掃除を通して「人は小さなことの積み重ねによって成長する」と教えてくれました。

教育も同じです。

一日で大きく変わる子はいません。

毎日のあいさつ。

毎日の宿題。

毎日の読書。

毎日の整理整頓。

こうした小さな習慣の積み重ねが、やがて大きな力になります。

だから私は、教育とは知識を教えることだけではなく、良い習慣を育てることでもあると考えています。

参考文献

  • 掃除道
  • 一日一話 人生の智恵
  • 日本を美しくする会

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