第6回「褒める教育と叱る教育」

子どもの自己肯定感を守るために

子育てにおいて、「褒めること」と「叱ること」は永遠のテーマです。

「子どもは褒めて伸ばすべきなのか」
「厳しく叱ることも必要なのではないか」

多くの親が一度は悩む問題ではないでしょうか。

結論から言えば、どちらか一方が正しいわけではありません。

大切なのは、何のために褒めるのか、何のために叱るのかということです。

褒めることは、子どもの自己肯定感を育てる大切な関わりです。

しかし、褒め方を間違えると、逆に子どもを苦しめることもあります。

例えば、

「100点を取って偉いね」
「一番になってすごいね」

という結果だけを褒め続けると、子どもはいつの間にか、

「良い結果を出さなければ認めてもらえない」

と感じることがあります。

すると、失敗を恐れるようになり、挑戦することを避けるようになる場合があります。

大切なのは、結果だけではなく、その過程を見ることです。

「毎日少しずつ努力したね」
「前より工夫できるようになったね」
「諦めずに取り組んだことが素晴らしいね」

そうした言葉は、子どもに「努力すること自体に価値がある」と伝えます。

一方で、叱ることも子育てには必要です。

社会のルールを学ぶこと。
人を傷つけないこと。
自分自身を大切にすること。

これらを教えるためには、時には厳しく伝える場面もあります。

ただし、注意すべきなのは「行動を叱ること」と「人格を否定すること」は全く違うということです。

「その行動は良くない」

と伝えることと、

「あなたはダメな子だ」

と伝えることは、子どもの受け取り方が大きく変わります。

叱られた子どもが、

「失敗してしまったけれど、次は改善できる」

と思えるなら、その叱りは成長につながります。

しかし、

「自分は何をやってもダメなんだ」

と思わせてしまう叱り方は、子どもの心を傷つけます。

教育虐待の背景には、「子どもを良くしたい」という思いが強くなりすぎることがあります。

親は子どもの未来を心配するあまり、できない部分ばかりを見てしまうことがあります。

しかし、子どもは不足している部分だけでできている存在ではありません。

得意なこと。
優しいところ。
努力しているところ。
昨日より成長したところ。

そこを見ることが、子どもの自信につながります。

また、親自身も完璧である必要はありません。

感情的に怒ってしまうこともあります。
言い過ぎてしまうこともあります。

大切なのは、その後です。

「さっきは言い過ぎたね」
「あなたを大切に思っているから伝えたかったんだ」

と関係を修復する姿を見せることも、子どもにとって大切な学びになります。

子どもに必要なのは、いつも褒めてくれる親だけでも、いつも厳しい親でもありません。

自分を認めてくれて、必要な時には正しい方向へ導いてくれる親です。

教育とは、子どもを完璧にすることではありません。

失敗しても立ち直れる力。
自分を信じる力。
周囲を思いやる力。

そうした「生きる力」を育てることなのではないでしょうか。

次回は、
第7回「親子の距離感。どこまで関わり、どこから見守るべきか」
について考えていきます。

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