悪法だったのか、それとも命を考えるきっかけだったのか「生類憐れみの令」を教育から考える

江戸時代の政策として、多くの人が知っているものに「生類憐れみの令」があります。

学校では、

「犬を大切にしすぎて、人々を困らせた法律」

というイメージで習うことが多いでしょう。

確かに、この法令には行き過ぎた運用があり、人々の生活に大きな負担を与えたことは事実です。現在の歴史研究でも、処罰の厳しさや運用への批判が指摘されています。

しかし、それだけで終わらせてしまうのは少しもったいないように思います。

「命」に目を向けさせた政策でもあった

五代将軍、徳川綱吉は、儒学や仏教の影響を受け、「生き物の命を粗末にしてはいけない」という考えを重視しました。

犬だけではありません。

馬や牛、鳥など、多くの生き物をむやみに傷つけたり殺したりすることを禁じる法令が出されました。

現代の感覚から見れば極端な部分もありましたが、「命には価値がある」という考えを社会全体に広めようとした側面もありました。

教育でも「命」は最も大切なテーマ

現代では、いじめや虐待、自殺、動物虐待など、「命」を巡る問題が後を絶ちません。

知識を身につけることも大切です。

偏差値を上げることも大切です。

しかし、その前提として、「命を大切にする心」がなければ、学んだ知識が人を傷つけることもあります。

教育とは、知識だけを教えるものではありません。

人を思いやる心を育てることでもあります。

歴史は善悪だけでは語れない

歴史には、「良い政策」「悪い政策」と単純に分けられないものがあります。

生類憐れみの令も、その一つです。

運用には問題がありました。

一方で、「命を大切にする」という理念は、現代にも通じる普遍的な価値です。

歴史を学ぶ意味は、昔の人を裁くことではありません。

「なぜ、その政策が行われたのか。」

「そこから現代は何を学べるのか。」

それを考えることにあります。

最後に

子どもたちには、「生類憐れみの令=悪法」と覚えるだけではなく、

「命とは何か。」

「人も動物も命を大切にする社会とは何か。」

そんなことまで考えられる人になってほしいと思います。

歴史は、暗記するためだけではありません。

よりよい未来をつくるために学ぶものなのです。

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